2004年01月20日

闇シチュウ

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コリスインのアメリカ従業員たちと闇鍋をしたことあるんですよ。

オレが「日本には闇鍋っていうのがあってな...」と話してやったら「ヤリたい、ヤリたい、それヤリたいよぉー!!」とノリノリになっちゃったもんですから。

しかし鍋なんてやったことない連中でしょう。そのままみそ味の闇鍋なんかやったらどんなことになるか分からなかったので「それじゃ、闇シチューにしよう!」とチキンストックにトマト味のシンプルなシチューを作りました。

で、部屋を暗くして各自持ち寄った具材をボチャボチャとシチューに投入しましてね、グツグツ煮ると、なんとな〜く鍋からカレーの匂いが...「う〜ん」と思いつつ、出来上がりを一口食べたら...やっぱりカレーの味がしました。

「み、みんな何を入れたんだい?」
「チョコ」
「チョコ」
「チョコ」
「チョコ」

う、うそだー!
posted by コリスイン at 12:00| コリスケ

2004年01月19日

ニトロでピザ10枚

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マイクは一時期コリスインでバイトをしていた学生です。

耳鼻あわせてピアスが9つ、腕にはドドンとタトゥが入ってるという、見た目は素晴らしくパンクなのですが、実は学校から奨学金までもらってるという勤勉なヤツでした。ただ、金がないのでいつでも腹を減らしててね、賄い飯なんかはいつでも2、3人前喰っていました。

そのマイクですが、授業のスケジュールに合わないという理由でコリスインをやめたあと、24時間営業のピザ宅配のバイトを始めたのですよ。アメリカの地方のピザ屋っていうのはバイトが自分の車を使って配達するシステムが良くありましてね、マイクも自分の車使っていたのですが、この車が街道レーサー仕様で何とニトロチューンまでしちゃってるんですよね。ボボボボッーとマフラーから景気の良い音をたてた、エラい車高の低い車でピザを配達するとかなりの客はやっぱりビックリするらしく、マイクは配達する2軒前の家に車を止め、そこから歩いてたそうです。

ある日コリスインで賄い飯用にピザを注文すると懐かしいあの「ボボボーッ」という音が聞こえてきました。

「ピザデリバリーで〜す」
「おっマイク久しぶり!元気かよ?」
「いや、そうでもないんだよね」
「どーした?」
「さっき2軒も続けてただのピザ配っちゃってさぁ」
「配達に30分以上かかったらお代はいりませんってやつか?何やってるんだよ〜」
「いや、明日テストがあってね、そのこと考えながら配達してたもんだから、道に迷っちゃって」
「遅れそうだったらアレ使えば良かったじゃないか。ニトロ、ニトロ」
「オレもそー思ったんだけどね、あれ一回使うとピザ10枚分は金が飛んでっちゃうんだよ」
「そりゃダメだ」
「それにさ...ずーっと黙っていたんだけど」
「ん?」
「年中オレ金ねーからさ、実はあのタンク1年半前から空なんだよね〜」

車の方もどうも年中腹減らしだったようです。
posted by コリスイン at 12:00| コリスケ

2004年01月14日

地下室の壁

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オレがバージニアの山奥に住んでいたときの話です。

ある日、友だちが電話をかけてきましてね「コリスケ、すぐ我が家に来い!びっくりするものを家の地下で発見したんだ!」と興奮した声でがなっているのですよ。

彼は3ヶ月ほど前に中古で家を買ったばかりでして、またその家が築70年やら80年やらエラい古い家なんですよ。ただ、古い家といっても壁などは煉瓦作りの南部の家なので全然ガタなどきていないのですが。まあ、オレが住んでいた家はここまで古くはなかったですけど、当時大家のおばちゃんに聞いたところ、築57年と答えてくれました(笑)

「何だ何だ、死体でも見つけたんか?」とオレはドアを開けてくれた彼に言うと「死体?そんなちっぽけなものじゃねえよ」とニヤリと笑いながら地下室に案内してくれました。初めて入ったその地下室はガラ〜ンとして壁とボイラー以外に目立つものは何もないんですよね。

「?」と悩むオレに彼は部屋の中心にある煉瓦の壁をコンコンと叩きながらいいました。

「この中にムーンシャインの貯蔵樽があるんだよ」
「えぇ〜!?」
「なっ、スゴイだろ?」
「おぉ、スッゲーな」
「ちょっとこの煉瓦の穴を覗いてみなよ」
「ホントだー」
「何かさガタつく煉瓦があったんで直そうと思って外したら、見つけちゃったんだよね」

ムーンシャインというのはとうもろこしから造られる蒸留酒で、日本のどぶろく同様、家庭で造るのは違法なのです。というもの、今でも南部あたりでコソコソ〜と造られているんですけどね。それにしても壁にタンクを仕込んでまで秘密裏に造るほど厳しく取り締まられることはないんですけど...と思ったところでふと気付きました。

そういえば、この家が建てられた1920年頃ってちょうど禁酒法の時代じゃないですか。なるほどなるほどと納得しましてね。ん?でもそうだとするとこのタンクで造られてた酒はムーンシャインじゃなくてウイスキーかもしれないぞー

そう思ったオレたち二人はかなり錆び付いたタンクのふたをWD40をかけかけ開けまして、タンクの中に鼻を近付けクンクンと嗅いでみました。

残念ながら鉄さびの匂いしかしませんでしたね。
posted by コリスイン at 12:00| コリスケ

2004年01月03日

酔っぱらいってやつは

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正月も三が日になるというのに昼間ッから酒をかっくらっております。コリスケです。みなさまはいかがお過ごしでしょうか。

まあ、正月ということでカシコから今年のコリスケシェフの抱負はなどと訊ねられましてね、酔っ払いなもんで「うん、そーだね、今年はもう少しロクデナシ度を上げていこうと思ってるんだよ、『こんなことでけるかいっ!』なんて駄々をこねまくったりしてね」なんてヘロヘロ答えたら、「いいですか、真っ当な大人というのはですね...」などと30分くらい淡々と説教されてしまいました。

人間がそうなるように、牛肉や豚肉も酒を呑んでデロンデロンになりますね。いや、料理の話ですけど。例えば、うちでローストビーフを作る時はまずウオッカを牛肉に振りかけて両手でもみまくります。これをすると出来上がりのの柔らかさが全然違うんですよね。アメリカの肉々しい牛肉ならなおのことです。バーボンに漬けておいた豚肉をBBQにしたものも柔らかくてウマいです。

アメリカ&酒というと思い出す友人がいます。ケーイチくんていうのですけど。彼はアメリカで安価で手に入る透明のスピリッツをまぜて焼酎に近い味を出すことに執念を燃す熱い九州男児でした。

アメリカの都会、例えばニューヨークなどでも十年以上も前になりますと焼酎を手に入れるのには結構苦労したのですよ。また売っていたとしてもかなりの値段でした。そこでケーイチくんはウォッカやジン、ホワイトラム、テキーラ、白ワインなどを計量カップで量りながらブレンドしては毎晩毎晩焼酎もどきを作っていました。オレも彼の半年間の最高傑作って一杯を一度呑ませてもらいましたが「なっ、なっ」とオレの横で微笑むケーイチくんには遠慮して言えませんでしたが、それは焼酎と呼ぶにはあまりにかけ離れたものでした。

ケーイチくんとは疎遠になってしまいましたが、いまだに焼酎作りをしていてくれたら嬉しいなぁ。それでもって彼の十年間の最高傑作って一杯をまた呑ませてもらって「あはは、やっぱ違うなぁ〜」と大笑いしてみたいものです。
posted by コリスイン at 12:00| コリスケ

2003年12月26日

アクセント

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酒を呑みながら日系人のバーテンダーとくだらない話をだらだら〜んと話していました。英語で。で、そろそろ家に帰ろうかなと会話を終わらせたらバーテンダーがこういうのですよ。

「あなた英語上手いね、アクセントないね」

いやいや無茶苦茶アクセントあるし、それにアクセントならあんたも十分あるよって返したら、ものすごく苦々しい顔をされてしまいました。アクセントってあって悪いもんじゃないのになぁ。コネリーなんか「ブリティッシュなまりで喋られるとクラクラしちゃう」なんて言ってますし、日本でも「京都弁の女の子っていいよなぁ」とか「博多弁の男子萌え〜」とかよく聞きますよね。

ほらほら、料理でもアクセントを少しつけるだけでびっくらこくほど旨くなったりしましてね。

例えばテリヤキソース。
どこかのレストランで食べた味を思い出しながらテリヤキソースを作ると「何だかこれじゃあもの足りないな...」とか言いながら砂糖をパッパカパッパと足していったりしますよね。んで、気付くとすんごく砂糖を入れ過ぎてみたらし団子の醤油餡みたいになっていたりするんですよ。
これ、少し甘味が足りないかなってくらいのところでタバスコをちろっと入れてみて下さい。どーですか、ちょーどいい甘味になったでしょう。

言葉でいったら「いまゴルフはどこでできますか?」が「いまゴルフはどこでできますたばすこ?」なった瞬間です。訳は分からないですが...

ほら、つぶあんを作る時に砂糖の甘味を引き出すために塩をちょっと入れますよね。あれと同じです。逆に辛味を引き出したい時には甘味を少し足す...そう、これがアクセントです!

えっ?いつにも増して強引なこと言ってますって?
はい、アクセントだけに悪戦苦闘しながら話しております。
posted by コリスイン at 12:00| コリスケ

2003年12月13日

黒糖酒

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日本産のラム酒を呑みました。

日本のラム酒ってめずらしいですよね。唯一、沖縄のヘリオス酒造で造られているらしいです。オン・ザ・ロックで呑むとラム独特のまろやかな甘味が口の中に広がって、なかなかウマいスピリッツです。

アメリカでは大抵の人がバーなどでラム酒を呑む時にはコークで割っていますね。いわゆるラム&コークってやつです。他の呑みかたしてるの見たことないなぁ...あ、あったあった。グロックってカクテルがあるんですよ。ラム酒のお湯割りに砂糖を入れて、レモンを絞ったやつなんですけどね。これはラムの歴史に大きく関わっている酒なのです。

18世紀、イギリスの海軍が航海中に船に持ち込んでいた酒というと樽に詰めたビールでした。でも長い旅の間に発酵が進んじゃうもんだから、そのうちにこれが酸っぱくて呑めたもんじゃなくなっちゃったらしいです。当時イギリス海軍にエドワード・バーノン提督という人がいたのですが、彼は航海の途中で立ち寄ったジャマイカ(だったかなぁ〜)で見つけたラム酒をビールの代わりに船員達に呑ませたそうなのですよ。ラム酒はビールのように酸っぱくならないし、良い考えだと思ったのですが、ところがどっこい、ラム酒のせいで酔っぱらっちゃて仕事にならない船員たちが増えちゃいましてね...こらヤバいどうにかしなきゃとラム酒を水割りにして船員に与えたそうです。これがグロッグの原形ですね。

えー、グロッキーって言葉ありますよね、よくボクシングなんかで使う、あれはこのグロッグから来てる言葉なんですよ。ちなみにグロッグという名前はバーノン提督のあだ名「オールド・グロッグ」からとったそうです。

最初はただのラム酒の水割りだったグロッグも船員たちが呑みやすくするためにライムを絞ったり砂糖を入れたりして、今のグロッグに近いものになっていきました。

今、沖縄のラム酒で作ったグロッグを呑みながらこの文を書いているのですが、オン・ザ・ロックだけでなくグロッグにしてもウマいですよー、これ。
posted by コリスイン at 12:00| コリスケ

2003年12月11日

ショージ風に...

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ボンソワール
マドモアゼール
かき混ぜ〜る

アメリカ料理を村上ショージ風に紹介してみると...

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ホッピンジョン
べっぴんじゃん
すっぴんじゃーん

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ヴィシソワーズ
フランボワーズ
願い叶わーず とほほ〜

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ジャンバラヤ
チャンバラや
殿、ご無体なぁ〜!
posted by コリスイン at 12:00| コリスケ

2003年12月06日

チャックワゴン語辞典

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いやいや、あのですね。オレもですね、古いギャグしか知らない訳じゃないのですよ。「ウェルカム、腕噛む、どこ噛むねん!」なんつってね...なんつってね...あれ?

え〜、下記はカウボーイたちが使っていた食べ物に関する隠語のいろいろです。

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AIRTIGHTS(エアタイツ)
缶詰

AXLE GREASE(アクセルグリース)
バター

BEAR SIGN(ベアサイン)
ドーナッツ

BELLY WASH(ベリーウォッシュ)
マズいコーヒー

BISCUIT SHOOTER(ビスケットシューター)
ウェイトレス

BOGGY TOP(ボギートップ)
コブラー(焼き菓子の一種)

BROWN GARGLE(ブラウンガーグル)
コーヒー

CHUCKWAGON CHICKEN(チャックワゴンチキン)
カリカリに焼いたベーコン

CUT STRAW AND MOLASSES(カットストローアンドモラセス)
マズいメシ

DOUGH GODS(ドウゴッズ)
ビスケット

DOUGH WRANGLER(ドウラングラー)
料理人

EATIN' IRONS(イーティングアイロンズ)
フォークなどの食器

FEED DUFFS(フィードダフス)
食卓

FLAPJACKS(フラップジャック)
パンケーキ

HOG SIDE(ホグサイド)
ソルトポーク

KANSAS CITY FISH(カンザスシティーフィッシュ)
カリカリに焼いたソルトポーク

LICK(リック)
モラセス

LONG SWEETENIN'(ロングスイーテニン)
モラセス

PECOS STRAWBERRIES(ペコスストロベリー)


SIX SHOOTER(シックスシューター)
ウマいコーヒー

SKUNK EGG(スカンクエッグ)
玉ねぎ

SPLATTER DABS(スプラッターダブス)
パンケーキ

SWAMP SEED(スワンプシード)
白飯

TARANTULA JUICE(タランチュラジュース)
ウイスキー

TEXAS BUTTER(テキサスバター)
グレイビー

WHISTLE BERRIES(ホイッスルベリーズ)


WEST TEXAS STRAWBERRIES(ウエストテキサスストロベリーズ)
ピントビーンズ

TEXAS BUTTER(テキサスバター)
グレイビー
posted by コリスイン at 12:00| コリスケ

2003年11月28日

クージィとナイトホーク

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カウボーイたちには彼ら独特の隠語がありましてね。例えば、食べ物ですとビスケットはDOUGH GODS(ドウ・ゴッズ)、ドーナツはBEAR SIGN(ベア・サイン)と呼ばれてました。人で言うと夜なべで牛の番をする人はNIGHT HAWK(ナイト・ホーク)、チャックワゴンのシェフはCOOKIE(クッキー)、DOUGH WRANGLER(ドウ・ラングラー)、BEAN MASTER(ビーン・マスター)やCOOSIE(クージィ)などと呼ばれたそうですね。

「こんばんは、いい月ですね」
「ん?なんだ今夜はお前がNIGHT HAWKかい」
「はいそうです、アンダーウッドさん」
「『さん』はいらねえよ、COOSIEでいいよ」
「クージィ?」
「ああ、カウボーイの言葉で料理人って意味だ。なんだいそんなことも知らねぇのかい」
「すみません、僕、今回がカウボーイになって始めての旅なんですよ」
「ああ、そうだったな」
「あなたはチャックワゴンの料理人になって長いのですか?」
「いいや、俺も今回が始めてだ」
「え?そうなんですか」
「ああ、普通クージィってのは、年をとって使いもんにならなくなったカウボーイがなるもんなんだよ」
「はあ」
「俺もクージィになるにはまだちっと若いんだけどよ、前回の旅んときに足がイカれちまってな、カウボーイとしてはお払い箱になっちまったのさ」
「...」
「で、俺が抜けちまった穴を埋めるためにお前が雇われたって訳だ」
「...すみません」
「ん?なに謝ってんだよバカヤロ、俺は好きでクージィやってんだよ(笑)」
「...」
「ちっ、ナイトホークがそんなうなだれてどぉすんだよ!しょーがねぇな、何かウマいもんでも作ってやろうか?夕飯の残りのDOUGH GODSかBEAR SIGNならあるぞ」
「いや、大丈夫です」
「あー、じゃあ歌うたえ!ほれそこにギターがあるだろ」
「すみません...僕ギター弾けないんです」
「なんだよカウボーイのくせにギターも弾けねえのかよ」
「すみません」
「まあいいやっ、俺も最初はそんなもんだったからな」
「本当ですか?」
「ああ、まあ慣れだな。何か困ったことあったらよ、いつでも俺んとこに来い」
「ありがとうございます」
「やめろよ照れるじゃねーか。それじゃ手始めにギター教えてやるから、そこのギターちょっと貸してみな」
「あ、はい」
「いいか、良く聞いてろよ」
「はいっ」

ポロロ〜ン♪

「ボインは〜、お父ちゃんのためにあるんやないんやでぇ〜♪」
「つ、月亭可朝!?」
posted by コリスイン at 12:00| コリスケ

2003年11月25日

チャック

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アメリカでチャックと呼ばれる部位の牛肉があります。日本でいうところの肩ロースで、そのまま焼いて食べるにはチョット固いので、煮込み料理などによく使われます。しかしチャックって肉にしては珍しい名前ですよね。実はこの名前の由来は日本一「ニクニクしい」タレントのチャック・ウィルソンから来ているのだそうです。

...いや嘘です(笑)え〜、チャックのほんとの由来はカウボーイにあるのですよ。

その昔、牛の売買のためにカウボーイたちは馬にまたがり何日も陸路を移動しました。そして、それらの旅には必ず食料庫とキッチンを兼ね備えた馬車がついてきましてね。この馬車はチャックワゴンと呼ばれました。チャックワゴンで作られる彼らの料理(CHUCKWAGON COOKING)にはよく肩ロースを使っていたことから、その部位のことをチャックと呼んだそうです。

そういえばチャックワゴン料理といえばダッチオーブンを使った煮込み料理がつきものですから、肩ロースが一番あっていたのでしょうね。

なるほど納得って感じです。
posted by コリスイン at 12:00| コリスケ