2004年07月04日

ホンマのハンバーガーをみせちゃる(3)

burger03.gif

「どうぞこちらよ」

「へ〜、良いアパートだね」と言いながら案内されたキッチンに入ってきたお兄ちゃんは両腕に抱えたスーパーの紙袋からひとつひとつ食材を取り出しキッチンカウンターに並べだしました。

グラウンドサーロイン
スイートオニオン
レタス
トマト
ハンバーガーバン
ピクルス

「調味料は揃っているから、いらないから」と事前に電話で伝えておきました。お兄ちゃんはスパイスラックを見て「おぅ、完璧だね!」と彼女にウインクをひとつ。そして、お兄ちゃんは玉ねぎをみじん切りし始めました。彼女はキッチンカウンターの反対側に腰掛けて、そんなお兄ちゃんの仕種を眺めていました。

その真剣な顔はいつもカフェテリアでバカ話やスケベ話をしている時とは別人のようです。すごくかっこいいです。やっぱり大きなホテルのレストランで毎晩数多くのお客を相手にしているこの人って...実はすごく腕の良い料理人なんだろうなぁなどと考えていると、お兄ちゃんがスパイスラックに手を伸ばしました。

カチャカチャとラベルを確かめて手にとったのはブラックペッパーでした。それをパッパッと肉に振りかけて、次のスパイスに手を伸ばし...あれ?伸ばさないぞ...

「ねえ他のスパイスは?使わないの?」
「うん、ペッパーだけだよ」
「でも、ほらオールスパイスとかタイムとか」
「いらない、ほら、本物のハンバーガーを作るって言ったじゃないか。本物は塩とペッパーしか使わないんだよね。はぁ〜ん」
「.....はぁ〜んじゃないわよっ!」
「え?」
「使ってったら使ってよ!」
「い・や・だ。俺は伝統的なハンバーガーを作るんだよ!」
「ムッキィー!(怒)」
「ふん!!(怒)」

結局、他のスパイスは使わずにおにいちゃんはハンバーガーを完成させました。そして二人とも殆ど会話することなく黙々とそのハンバーガーを食べ、しばらくするとおにいちゃんは気まずそうに「それじゃ」とひとこと言って帰っていきました。

何日かしてオレは彼女にその話を聞いたのですが...

「でもウマかったんだろ、そのハンバーガー」
「うん、まあね」
「それに伝統的なハンバーガーってほんとに塩胡椒しか使わないんだろうしさぁ」
「違うもん」
「え?」
「デルモニコのハンバーガーはナツメグとか入ってるんでしょう」
「お、よく知ってるな」
「コリスケが教えてくれたんじゃん、この前」
「.....あ...あーっ!」

オレったら知らないうちに、人の恋路を邪魔してたみたいです。
posted by コリスイン at 12:00| コリスケ