2004年01月14日

地下室の壁

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オレがバージニアの山奥に住んでいたときの話です。

ある日、友だちが電話をかけてきましてね「コリスケ、すぐ我が家に来い!びっくりするものを家の地下で発見したんだ!」と興奮した声でがなっているのですよ。

彼は3ヶ月ほど前に中古で家を買ったばかりでして、またその家が築70年やら80年やらエラい古い家なんですよ。ただ、古い家といっても壁などは煉瓦作りの南部の家なので全然ガタなどきていないのですが。まあ、オレが住んでいた家はここまで古くはなかったですけど、当時大家のおばちゃんに聞いたところ、築57年と答えてくれました(笑)

「何だ何だ、死体でも見つけたんか?」とオレはドアを開けてくれた彼に言うと「死体?そんなちっぽけなものじゃねえよ」とニヤリと笑いながら地下室に案内してくれました。初めて入ったその地下室はガラ〜ンとして壁とボイラー以外に目立つものは何もないんですよね。

「?」と悩むオレに彼は部屋の中心にある煉瓦の壁をコンコンと叩きながらいいました。

「この中にムーンシャインの貯蔵樽があるんだよ」
「えぇ〜!?」
「なっ、スゴイだろ?」
「おぉ、スッゲーな」
「ちょっとこの煉瓦の穴を覗いてみなよ」
「ホントだー」
「何かさガタつく煉瓦があったんで直そうと思って外したら、見つけちゃったんだよね」

ムーンシャインというのはとうもろこしから造られる蒸留酒で、日本のどぶろく同様、家庭で造るのは違法なのです。というもの、今でも南部あたりでコソコソ〜と造られているんですけどね。それにしても壁にタンクを仕込んでまで秘密裏に造るほど厳しく取り締まられることはないんですけど...と思ったところでふと気付きました。

そういえば、この家が建てられた1920年頃ってちょうど禁酒法の時代じゃないですか。なるほどなるほどと納得しましてね。ん?でもそうだとするとこのタンクで造られてた酒はムーンシャインじゃなくてウイスキーかもしれないぞー

そう思ったオレたち二人はかなり錆び付いたタンクのふたをWD40をかけかけ開けまして、タンクの中に鼻を近付けクンクンと嗅いでみました。

残念ながら鉄さびの匂いしかしませんでしたね。
posted by コリスイン at 12:00| コリスケ