2006年05月29日

台湾でごはんを食べました(1)

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台北初日、予定通り昼時にホテルに着いたのですが、機内食をたらふく食べてしまったおかげで予定していた小龍包の店に行く気はすっかりなくなってしまっていました。

それでも小腹はすいていたのでホテルの周りをフラフラ〜と歩いていると目の前に見覚えのある髭面のおじさんの顔が...ヒゲチョーだっ!それは日本にも支店のある魯肉飯(ルーローファン)の店「◯鬚張魯肉飯」でした。魯肉飯ちゅうのは細かく切った豚肉を甘辛く煮てゴハンにかけた台湾のソウルフードみたいなもので、台北の街ではもうそこらここらで看板を見かけました。

さっそく台湾の「ヒゲ張」さんで魯肉飯の一番小さいのをテイクアウト、ついでに蹄膀と香腸を追加、さらにホテルの中のコンビニで台湾ビールと茶葉蛋を買って部屋に戻りました。テーブルの上に買ったものを並べて、小腹がどうのこうのという量じゃないのに気づいて苦笑いです。

さて全部でいくらだったでしょうか?
魯肉飯26元+蹄膀75元+香腸40元+台湾ビール30元+茶葉蛋7元=合計178元 日本円に換算すると、約4倍弱だから...650円くらいですね。安っ!
台湾の殆どの物価は日本とそんなに変わらないなぁと思ったのですが、食費と交通費はとても安いです。いやー、食べ歩きには最高の街ですよ。

台湾のヒゲ張魯肉飯は肉がそぼろというより細かい細切りで、ゼラチン質が多くてむっちむちな食感でした。ホントの魯肉飯というのはみんなこんな感じなのかなぁと思ったのですが、他の店で食べた魯肉飯はもっとモモ挽肉を煮込んだ感じだったので、多分魯肉飯を作るならここの肉ちゅう部位はないのでしょう。

蹄膀というのは豚の前足を甘辛く煮込んだものです。アメリカで言うところのピクニックですね。香腸は香辛料の効いた甘い腸詰め、茶葉蛋はウーロン茶と調味料で煮込んだゆで卵です。う〜ん、すべて豚肉を使っているからかもしれないけど、やっぱりソウルフードっぽいですよね。そういえばヒゲ張でメニューにあった唯一の青菜(名前はわからず)もソウルフードのボイルドグリーンそっくりでした。そんなソウルフルな料理にビールが会わないわけがないでしょう。ちょっと軽めの台湾ビールをゴキュゴキュ飲みながらすべてを喰い尽くしてしまったのでした。

このあと夜市に言って食べまくろうって予定だっちゅうのにね。
posted by コリスイン at 12:00| コリスケ

2006年05月02日

ほろにがカレー

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カレーの隠し味にインスタントコーヒーを使うひとがいますね。何でもそのほろ苦さがカレーの味を深くするのだそうです。オレが好きなカレーのひとつにもほろ苦いやつがあるのですよ。コーヒーなんか全く入ってないのですが、ほろ苦くてね懐かしい味なんです。

小学生の頃、近所にひとつ年上のシュウちゃんという女の子が住んでいました。ほんとの名前はシュウファとかシュウフォンだと思うのですが、お父さんが香港の人だったのです。ある日曜日にシュウちゃんの家で遊んでいたら、昼時になって、シュウちゃんのお父さんがオレたちにご飯を作るよと言ってくれました。と、いってもお父さんは日本語が話せなかったので、シュウちゃんにそう伝えたあとにオレの顔を見ながらニコニコと微笑んでいました。シュウちゃんはそんなお父さんにひとことふたこと話しかけ、お父さんは「OK」と言いながらキッチンに向かいました。

「パパ、カレー作ってくれるって」
「カレー?」
「うん!パパのカレーすごく美味しいんだよ」
「ボク、カレー大好きだよ」
「わたしも大好き!」

20分くらい待ったでしょうか、お父さんが目の前に出してくれた皿を見たオレは「ん?」と考えてしまいました。カレーの香りはするのですが見た目は中華丼とか八宝菜にそっくりのそれは、オレの知っているカレーとは全くの別物だったからです。おそるおそるそれを口に運んでるオレにシュウちゃんが言いました。

「ねっ、パパのカレー美味しいでしょ!」
「...美味しくない」
「えっ?」
「美味しくないし、カレーじゃない...」
「これ中国のカレーなん...」
「こんなのカレーじゃないっ!」

オレはシュウちゃんの目をそらし、横を向きながらそんなひどい台詞を口にしてしまいました。そして気の強いシュウちゃんのことだから怒って言い返してくるだろうなぁとそっぽを向きながら待っていたのですが、シュウちゃんは無言のままです。そ〜っと見てみるとシュウちゃんは悲しそうな恥ずかしそうな顔をしてうつむいていました。オレはハッとしてシュウちゃんのお父さんを見ると、お父さんは悲しげに微笑んでオレを眺めていました。

オレは「ひどいことをしちゃった」「あやまらなくちゃ」と、すぐ思ったのですが、子供独特の頑固さで「もう帰る」と一言だけ残してシュウちゃんの家から飛び出てしまいました。その後、シュウちゃんやお父さんに会う度に謝らなくちゃ謝らなくちゃといつも思っていたのですが、二人とも全然気にしてない素振りだったのでついつい謝りそびれ、そのうちシュウちゃん一家は香港に引っ越し、オレはそのカレーのことをすっかり記憶の奥底にしまい込んでしまったのでした。

ところがNYのチャイニーズレストランでCURRY CHICKENというメニューを見つけ、何気に注文してひとくち食べた瞬間に思い出してしまったのです。

あぁ、これはあのときのカレーだ...そっか、こんな味だったんだ...シュウちゃんもお父さんも本当はすごく気にしてたよな...何でオレはすぐに謝らなかったんだろう...シュウちゃんゴメン...本当にゴメンな...

えー、これがオレの好きなほろ苦くて懐かしいカレーの話です。
posted by コリスイン at 12:00| コリスケ