
マイクは一時期コリスインでバイトをしていた学生です。
耳鼻あわせてピアスが9つ、腕にはドドンとタトゥが入ってるという、見た目は素晴らしくパンクなのですが、実は学校から奨学金までもらってるという勤勉なヤツでした。ただ、金がないのでいつでも腹を減らしててね、賄い飯なんかはいつでも2、3人前喰っていました。
そのマイクですが、授業のスケジュールに合わないという理由でコリスインをやめたあと、24時間営業のピザ宅配のバイトを始めたのですよ。アメリカの地方のピザ屋っていうのはバイトが自分の車を使って配達するシステムが良くありましてね、マイクも自分の車使っていたのですが、この車が街道レーサー仕様で何とニトロチューンまでしちゃってるんですよね。ボボボボッーとマフラーから景気の良い音をたてた、エラい車高の低い車でピザを配達するとかなりの客はやっぱりビックリするらしく、マイクは配達する2軒前の家に車を止め、そこから歩いてたそうです。
ある日コリスインで賄い飯用にピザを注文すると懐かしいあの「ボボボーッ」という音が聞こえてきました。
「ピザデリバリーで〜す」
「おっマイク久しぶり!元気かよ?」
「いや、そうでもないんだよね」
「どーした?」
「さっき2軒も続けてただのピザ配っちゃってさぁ」
「配達に30分以上かかったらお代はいりませんってやつか?何やってるんだよ〜」
「いや、明日テストがあってね、そのこと考えながら配達してたもんだから、道に迷っちゃって」
「遅れそうだったらアレ使えば良かったじゃないか。ニトロ、ニトロ」
「オレもそー思ったんだけどね、あれ一回使うとピザ10枚分は金が飛んでっちゃうんだよ」
「そりゃダメだ」
「それにさ...ずーっと黙っていたんだけど」
「ん?」
「年中オレ金ねーからさ、実はあのタンク1年半前から空なんだよね〜」
車の方もどうも年中腹減らしだったようです。
posted by コリスイン at 12:00|
コリスケ