2003年11月28日

クージィとナイトホーク

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カウボーイたちには彼ら独特の隠語がありましてね。例えば、食べ物ですとビスケットはDOUGH GODS(ドウ・ゴッズ)、ドーナツはBEAR SIGN(ベア・サイン)と呼ばれてました。人で言うと夜なべで牛の番をする人はNIGHT HAWK(ナイト・ホーク)、チャックワゴンのシェフはCOOKIE(クッキー)、DOUGH WRANGLER(ドウ・ラングラー)、BEAN MASTER(ビーン・マスター)やCOOSIE(クージィ)などと呼ばれたそうですね。

「こんばんは、いい月ですね」
「ん?なんだ今夜はお前がNIGHT HAWKかい」
「はいそうです、アンダーウッドさん」
「『さん』はいらねえよ、COOSIEでいいよ」
「クージィ?」
「ああ、カウボーイの言葉で料理人って意味だ。なんだいそんなことも知らねぇのかい」
「すみません、僕、今回がカウボーイになって始めての旅なんですよ」
「ああ、そうだったな」
「あなたはチャックワゴンの料理人になって長いのですか?」
「いいや、俺も今回が始めてだ」
「え?そうなんですか」
「ああ、普通クージィってのは、年をとって使いもんにならなくなったカウボーイがなるもんなんだよ」
「はあ」
「俺もクージィになるにはまだちっと若いんだけどよ、前回の旅んときに足がイカれちまってな、カウボーイとしてはお払い箱になっちまったのさ」
「...」
「で、俺が抜けちまった穴を埋めるためにお前が雇われたって訳だ」
「...すみません」
「ん?なに謝ってんだよバカヤロ、俺は好きでクージィやってんだよ(笑)」
「...」
「ちっ、ナイトホークがそんなうなだれてどぉすんだよ!しょーがねぇな、何かウマいもんでも作ってやろうか?夕飯の残りのDOUGH GODSかBEAR SIGNならあるぞ」
「いや、大丈夫です」
「あー、じゃあ歌うたえ!ほれそこにギターがあるだろ」
「すみません...僕ギター弾けないんです」
「なんだよカウボーイのくせにギターも弾けねえのかよ」
「すみません」
「まあいいやっ、俺も最初はそんなもんだったからな」
「本当ですか?」
「ああ、まあ慣れだな。何か困ったことあったらよ、いつでも俺んとこに来い」
「ありがとうございます」
「やめろよ照れるじゃねーか。それじゃ手始めにギター教えてやるから、そこのギターちょっと貸してみな」
「あ、はい」
「いいか、良く聞いてろよ」
「はいっ」

ポロロ〜ン♪

「ボインは〜、お父ちゃんのためにあるんやないんやでぇ〜♪」
「つ、月亭可朝!?」
posted by コリスイン at 12:00| コリスケ

2003年11月25日

チャック

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アメリカでチャックと呼ばれる部位の牛肉があります。日本でいうところの肩ロースで、そのまま焼いて食べるにはチョット固いので、煮込み料理などによく使われます。しかしチャックって肉にしては珍しい名前ですよね。実はこの名前の由来は日本一「ニクニクしい」タレントのチャック・ウィルソンから来ているのだそうです。

...いや嘘です(笑)え〜、チャックのほんとの由来はカウボーイにあるのですよ。

その昔、牛の売買のためにカウボーイたちは馬にまたがり何日も陸路を移動しました。そして、それらの旅には必ず食料庫とキッチンを兼ね備えた馬車がついてきましてね。この馬車はチャックワゴンと呼ばれました。チャックワゴンで作られる彼らの料理(CHUCKWAGON COOKING)にはよく肩ロースを使っていたことから、その部位のことをチャックと呼んだそうです。

そういえばチャックワゴン料理といえばダッチオーブンを使った煮込み料理がつきものですから、肩ロースが一番あっていたのでしょうね。

なるほど納得って感じです。
posted by コリスイン at 12:00| コリスケ

2003年11月10日

ミドリイチバ・レポート(3)

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「ベーカリーです」
「パン屋っすね、アメリカのパンは小麦味がしっかりして大好きです」
「ここのパンはちょっと固いんだよね」
「コビはフニャフニャのポテトブレッドが好きだからな」
「ボクが小さい時からうちではパンと言えばポテトブレッドです」

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「これは別のパン屋ですね」
「あ、オレこっちのパン屋のほうが好きだった!」
「ボクにとってはどちらのパンも固いです」
「フニャモチの柔らかパンが好きなのは日本人だけかと思っていたけど...」
「ボクの舌は日本人の舌なんだよ」
「いや日本人の舌は腹の調子が悪い時にピザ喰わんから」

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「あ、芝生屋だね、ここの草はカッパーが食べてたよ」
「この草って小麦なんだけどジュースにして飲ませてくれるよね」
「ま、アメリカの青汁ってところだねコレは」
「アオジルは何?」
「ケールのジュースだよ」
「それは『草ジュース』より全然美味しそうだよー」
「まあ、そうだね」

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「ペイストリー屋さんです」
「ここはオレよりカシコの方が詳しいな」
「カシコのパイは美味しかったね」
「コネリーもパイもウマかったよな」
「ここのパイも美味しいよ」
「キンタオーナーが一回パイ焼いたときあったじゃん」
「うぎゃ!あれはマズかった(笑)」
「うん、笑っちゃうくらいマズかったな(笑)」

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「ここのチーズは美味しいよねぇ」
「そうそうそうそう、ここのチェダーは最高です!」
「日本じゃ美味しいチーズがないの?」
「あるよ、あるけど高いんだよね」
「じゃあ、ボクが送ろうか?」
「いいね〜、そんじゃオレはお返しに『四国名産グルメセット』でも送ったるか」
「ヒヤアツッ!」
「またそれかい(笑)」
posted by コリスイン at 12:00| コリスケ

2003年11月07日

ミドリイチバ・レポート(2)

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「他に野菜は何があった?」
「にんじんです」
「こりゃまたスゴい構図だな...え〜、アメリカのにんじんは味が濃くてウマいですよね」
「コリスケ、この黄色いにんじんは美味しいの?」
「うんウマいよ、これは煮込んだりしてよく食べたなぁ、鶏もも肉と一緒にクリーム煮にするんだよ」

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「次はぶどうです」
「またこんな構図かよ(笑)」
「迫力のあるぶどうを撮りたかったのです」
「迫力ちゅうかミニョ〜ンとのびてる軸がカッコ悪いですけどね」
「あ、ぶどうのヤツめー」

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「もっとリンゴの写真ないの、コビ?」
「リンゴリンゴ...はい、リンゴ」
「いいねぇ、どんな種類があるかな...」
「MONROE」
「聞いたことないなぁモンローは、RED SPYもないね、EMPIRESは食べたことあるよ」
「STAYMAN WINESAP」
「何だその名前はジャズのタイトルみたいだな」
「奥にあるグリーンのやつはMUTSUだよコリスケ!ムツ!」
「うん、ムツも時々見かけるよね」

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「ブリュッセルスプラウトです」
「日本名『芽キャベツ』ですね」
「メキャブッ?」
「近い!近いけど、メカブにも聞こえる!」
「ボクびっくりしたんだけど...」
「うん」

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「BRUSSEL SPROUTってこんな風になってるんだね」
「タカラヅカでシャンシャンと振る鈴みたいだよね」
「タカラヅカは?」
「タカラヅカは女だけでミュージカルをする劇団ですっ」
「ゲイ?」
「ゲイではないはずですっ」
posted by コリスイン at 12:00| コリスケ

2003年11月05日

ミドリイチバ・レポート(1)

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「ハロージャパン!ヒヤアツ食べてますか?コビです」
「コリスケです...コビ、訳わからねーよ」
「最近ボク日本語習ってるんだよ、コリスケ」
「へぇ〜そうなんだ、じゃあどんな言葉を習ったかちょっと聞かせてくれよ」
「オッケー...『いまゴルフはどこでできますか?』」
「うわっ、そりゃまた応用力少なそうな文だなぁ(笑)」

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「今日はコビが皆さんにNYのグリーンマーケットを紹介します」
「ミドリイチバ!」
「違うよ日本語だと...青物市場かな」
「オモロイチバ!」
「あはは『おもろい千葉』ってローカル番組のタイトルみたいだな」

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「えっと今の季節の果物といえば...」
「リンゴが美味しいです」
「アメリカは色々な種類のリンゴがあるよね」
「ボクはフジが好き」
「フジはアメリカでも結構人気あるもんね、オレはグラニースミスのファンだけど」
「奥に見えるボトルはアップルサイダーです」
「これってリンゴのジュースなんだけど発酵させてビールみたいな酒として飲んだりもするんですよ」

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「これは...レタスですか?」
「うん、レッドリーフレタスとかグリーンリーフレタスが売っていました」
「値段交渉中にも見えますね」
「そうそう、値切ってる人ときどきいますね」
「うん、いるいる」
「なかなか安くしてくれないんだけどね(笑)」
「そうなんだよね〜(笑)」

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「ルバーブです」
「ここのルバーブは旨いよね」
「ルバーブ食べるとお腹の調子がいいんだよ」
「オレはあの酸っぱさが結構好きですね」
「普通はジャムとかパイにして食べます」
「でも果物じゃなくて野菜です」
「ヘンなヤサイ」
posted by コリスイン at 12:00| コリスケ